もの補助に興味をもったら・・・7 よくある質問への回答

興味をもったら・・・」シリーズ最終回です。今回は、ものづくり補助金で気になる質問について私の考えを書きました。ご参考にしてください。

Q1:申請書の助言を専門家に頼むべきか、自分で書くべきか。
A1:設備投資で人件費も絡むので、各社では社長さんと役員さんで対応されることが多いようです。でも設備投資や人だけでなく、将来の御社の技術的な強さやビジネスの形を決める、と考えれば、技術系の社員さんが担当するのがベストと考えます。
 なので、技術担当の方がいなければ、私は専門家に頼むことをお勧めします。アイデア出しと妥当性は、貴社にしかできませんが、申請で重要事項を見せる、という事では専門家に任せていいと考えております。

Q2:いい専門家、悪い専門家の見分け方はありますか?
A2:いい、悪いは合う合わないの問題かと思います。ので専門家それぞれの持っているスキルで変わるので、紹介します。
コンサル、中小企業診断士事業計画の観点からビジネス実現性の高い説得力の高い申請書が出来ます。
税理士:タックスプランニングや計数計画など数字に基づいた妥当性が高い申請書が可能です。

技術士、ITコーディネーター等技術課題のトレンドや貴社ポテンシャルを踏まえた課題抽出と改善から説得力の高い申請書が出来ます。
機械メーカー機械の利用事例、顧客動向、補助事例から、現実に即した説得力の高い申請が出来ます。
という事で、それぞれの特徴があるので、よく考えて依頼しましょう。

Q3:補助金は麻薬だと言われます。やはり自力で取り組んだ方がいいのでしょうか。
A3:「補助金は麻薬」。通常かかる初期投資が3分の1あるいは2分の1で済むのですから、回収も早くなります。もしこれに慣れて、補助金がなくなったら・・・
私は、それでも使える補助金は使うべきであると考えます。なぜなら
① 強い企業は、オリジナル性の高い強い付加価値を産みだす努力をしています。そのためには、不確実な成功に向かってチャレンジする必要があり、リスクを取らなければいけない。のですが、初期開発資金が必要で、それを助けるのが「補助金」です。
中小企業はブランドや資産が不足し成功確率は大企業のように高くはない。ですからこうした補助金を使って、開発をする社風がなければ、将来生き残ることは無理なのです。
② ただし、補助金がなくても開発することには変わりないです。ですので、資金繰りや投資回収の算定上は、補助金がある場合と補助金が全くない場合の2つのパターンの計算で確認することを強く勧めます。補助金がない場合でもどの程度で回収が進められるのか。が分かれば、補助金が採択された際にも勝って兜の尾を締められるのです。

Q4:加点条件は必ず取る必要があるのか。
A4:取れる加点条件は、採択される企業は取ります。これは私の想定ですが、案件のニーズ、開発経験、技術の必要性、収益性など非常に強いSクラス企業は全体の1割ほどと考えます。採択が全体の4割なら、優秀なAクラス企業5割で残り3割の座を争う、となれば1点2点の差が大きいのです。
「先端設備等導入計画」「経営持続力強化計画」「経営革新計画」などわずかな点数であっても、取る取らないでは明確な差が出ます。ぜひ取得頂ければと存じます。

Q5:採択されてから注意することは・・・
A5:機械の導入は「交付決定日」以降です。その前の発注には1円も出ないです。
また、書類の整理に時間がかかりますので、計画的に取り組む必要があります。コンサルタントや税理士等、毎月伺う専門家がいたら、それこそ任せてしまうのも手。
 そして機械の導入に関してやったことを全て記録に残しておきましょう。業者や社員と話したこと、実験で取り組まれた内容、会議で決められたことを文書、データ、写真、映像音声で記録しておきます。
●実績報告書を作成するときに非常に役に立ちます。記録がないと苦労。
●この記録を今後の開発や今後の商品展開に使えるようにまとめておく。補助金は、初期投資の資金の手段で、本来やりたい事は新事業の開発やラインの工夫。それを実際にやって記録に残すことで、従業員育成や社外アピールに使用しない手はありません。


終わりに
 ものづくり補助金で伸びるA級企業の申請書は、1000万円の補助金の後、実際に実用化した後の売上5000万円が見えてきます。
もっと伸びるS級企業の申請書は、1000万円の補助金の後、複数の商品やサービスの実用化に成功した5000万円、1億が見得てくるのです。

 つまり、補助金はあくまで手段。目的は企業の夢の実現でなくてはならないし、そのようなニュアンスが伝わらない企業は採択されにくいのも事実。

 ぜひ補助金を本当の意味で、事業継続の柱として、事業引継後のリボーンの柱として活用していただくことを切に願って、このシリーズを締めくくりたいと思います。

お読みいただき誠にありがとうございました。

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