専門サービス業で創業される方のために
~ 受注するには「選ばれる必要があります」~
皆さん、こんにちはこんばんは。創業サポーター かがじょうたけしです。
創業相談、どのような創業者予備軍の方が相談しに来られると思いますか。私自身、対象業種を設けていることもあるのですが、
○ゼネコンで一級建築士を取り、自分のデザインでデベロッパーさんとの取引でオリジナリティのあるマンション構造物を設計したい和製ショーンコネリー
○建設会社に勤めており、旦那さんが税理士でご自身も行政書士として、旦那さんの顧問先の許認可だけでなく事業承継関係も扱痛いと思った優しそうな女性
といった国家資格をもとに独立されようとする方も相談に訪れます。
難易度の高い国家資格をお持ちなだけあって、創業計画書については、ブースに来た初回から作成の上お持ちいただく方が多い印象です。
(こんなんでいいんでしょうか?といった形で私に見せてくれます)
私が作るより精密なんじゃないかという計数計画。なんなら、私の仕事手伝って~といいたくなってしまいます。
1)受注商売ゆえの・・・
さて創業計画書は大体書く事決まっています。順序でいうと
1.創業目的とビジョン
2.創業事業のコンセプトや事業概要
3.創業事業の(他社と比較した大きな)特徴
4.事業を継続してやっていける数字
5.応援してね(笑)的メッセージ
という構成で成り立ちます。
さて専門家、特に建築士や建設系のコンサルティングサービスで独立される方の精密な計画書(案)を眺めた時の私が結構な割合で思う感想として、勝手ながら
(うーむ、なんかパンチがない。ワクワクしない。全ては順調なはずなのに、この方が事業をしていく像が見えてこない・・・)
という感想を抱いてしまう事があります。それはなぜでしょうか。
上に書いた創業計画書の目次をもう一回見て下さい。
ずばり
3 その商売が他社さんと比べて目立つ特徴の記述に特徴がない、
という事が多いという事に気付きました。
事業の成功は、私のドキドキワクワクよりも、仕事が取れる腕があるか、これまでの付き合いで多数の顧客企業担当者との信頼関係があるか、ということが非常に重要です。
ですが、融資担当者にお見せする際には、競合からなぜ選ばれるのか。価格によるものなのか?それ以外にどのような特徴でお客様と対峙していくのか。 言い換えると、他社との差別化をどのように考えているか。そしてもっと重要なのが
その差別化はお客様の役に立つ差別化なのか?
という事です。
2)差別化を見せるために必要なスタンス
特徴が、お客様企業のニーズに合っているのか?その点が明確に書かれていない計画書に私は数多く当たってきました。専門サービス業の計画書は専門性が高く、顧客担当者様自身も専門性が高いことから、実は顧客が求めている価値についてあいまいになってきました。それは顧客自身もわかっていなかったりするからです。ですが経営者として、サービスを提供するではなく、そのサービスでお客を喜ばせてお金を頂くまでが仕事です。
という事は自身を「建築士」や「建設コンサルタント」としてではなく「建築士サービス業」「建コン業」の代表取締役として創業計画を作ってくれ、と言われているのと同等です。
「専門家」でなく「専門サービス業の社長」として
自分を定義づけてほしい、という事なのです。そうすると、意識が変わります。
専門家は顧客企業の仕様に合わせて、専門サービスを高い技術で提供する事で高い給与を頂きます。そして専門サービス業の社長:顧客企業の仕様を超えた経営的ニーズを理解して、専門サービスを組織全体で提供し、満足度を上げる事でより高い付加価値に見合った報酬をお客様から頂戴します。
という風に、お金に対するスタンスが大きく変わります。スタンスが変わる事は
3 その商売が他社さんと比べて目立つ特徴
の記述内容を見るとすぐわかります。そこを経営者に数多く当り、成功失敗も重ねてきた金融機関担当者は期待をすると考えます。
3)「専門サービス業の社長」として示す項目
1.顧客企業の取り巻く市場環境
2.顧客経営方針と需要
3.そこに合う専門サービスとして、貴社は何を提供できるのか
4.それは他社との違いがあるのか
5.専門サービスを提供した際の顧客企業が得られる満足感
ここで例を挙げます。デベロッパ向けにオリジナル間取りの設計業を営むAさんの例です。
- 顧客企業の市場環境:首都圏は引き続きマンションニーズが盛んであるが、地方は中核都市にマンション建設が集中している。
- 経営方針と需要:そして、価値を下げないよう、内装デザイン等に特徴を凝らした物件を希望している。
- 創業者が提供する技術サービスの本質:建築基準法の中で、最大限にデザインを配慮したアパートメントの設計、その速さ
- 他社の違い:他社よりもデザイン物件経験が豊富で、特に顧客企業が望む1次購買の富裕者層を満足させるデザインは経験知見が豊富
- 満足感:顧客購買層を高いレベルで満足することによる値崩れ防止、投資対象としての入居率=利回り向上
こうしたことを、特徴の中に書き込んでいただき、金融機関に信頼して頂ければと考えます。
ではまた。
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