【創業計画で聞かれる】「コストが増えた場合、どうしますか」
ごきげんいかがですか。
創業・新事業 挑戦をサポートする フェニックス経営研究所 加賀城 剛史です。
少しずつお召し物が厚くなってくる頃でコートがそろそろ出番でしょう。男性のコートやジャケットはどうしても暗めの色合いなので、気分を上げるにはネクタイや小物で色のアクセントをつけて、華やかにしたいものですね。
今日、お話しするのは以下の3点です。
- なぜ原材料が上がっているのかなぜ原材料が上がっているのか
- 原材料が上がる事を想定できるのか
- 創業計画にどう盛り込むと、一目置かれるか
では、よろしくお願いします。
1)なぜ原材料が上がっているのか
原材料が高騰していますね。食用油や小麦粉が上がって、ポテトチップスはメーカー各社が値上げを予定している、とテレビで報道がありました。その他、木材も「ウッドショック」と呼ばれて価格の高騰が激しいですし、一般材料も軒並み値上がりしています。その原因はなんでしょうか。コロナによる生産減もありますが、大きくは2つありますね。
①中国やインドが経済成長し続け、原材料輸入が増えていることで、手に入りにくい状況となっている事
②令和3年11月末時点ですが、円安が進行し、輸入材は円に換算すると値上がりになっている事
この2つが原因とみられています。
さて、経営者にとっての問題はここからです。小麦粉が1.3倍に上がったので、すみません、総菜パンの値段を1.2倍にします、というわけにはまいりません。機械の部品を作っている工場が、機械のメーカーさんに鋼板の値段が1.3倍になったから、原価分1.2倍で見積もらしてください、といっても
「そこは御社で何とか工夫してください(なお、別の業者もいますので・・・)」
と、値上げに素直に応じてくれない業者さんも多いといえます。値上げに応じたとしても、原材料高騰と総菜パンや部品の価格値上げの時期はずれるので、一時的に利益が減ってくるのです。
2)原材料が上がる事を想定できるのか
「少子高齢化」「個人ニーズの多様性」「中国の経済成長」といった、長いスパンでの社会変化は統計データもあって予測がつきます。それを前提とした創業計画を立てるべきです。しかしながら、「コロナによる材料不足」「急激な円安による原材料高騰」は事前にいつ起こるのかを予言するのは、神の領域か占い師か、といったもので、我々常人には検討つきません。こうした原材料高騰は、原価が高くなり、商品の粗利を落としていく。
すると、利益も下がってくるわけです。
借入返済は本来はその利益を源泉として充てるのですが、急な高騰の場合、ぎりぎりに設定しておくと、少なくなった利益では賄いきれず、本来は会社が次のプロジェクトの為に残しておくべき口座、社長からの貸出という形で対応したり、更には、「一定期間だけ約定返済額を減額する」など返済条件の変更(リスケと呼ばれますね)が必要になったりします。
リスケをしている際には、なかなか新規の貸出が難しいことから、必要な時に資金調達が出来ない、という問題があり、経営者として簡単にはリスケはできません。
3)創業計画にどう盛り込むと、一目置かれるか
さて、創業計画を専門家や金融機関にお見せした場合に、
「この計画で売上やコストが変わった場合、どのように対応しますか」
と質問される場合がたまにあります。私もします。この場合、聞きたいのは「円安がいつ来て小麦粉が上がっていることを反映していますか?」という事ではなく、 「経営環境は、一企業では判断できない要素でコストが高くなることもあるので、その場合は、利益が下がるけどそれでも余裕のある計画(=借入の元利返せる)になっていますか?」という事なので、
私は皆様に、2つのパターンつまり
- 今現在の小麦粉の価格に基づいた収支計画 (通常パターン)
- 原材料が20%上がり、原価の負担が大きくなった場合の収支計画(安全パターン)
安全パターンでも売上維持が出来れば、事業運営が成り立つ、つまり経営は黒字になり、借入返済がその黒字分から賄える、という状態でいれば、各機関もかなり安心でいられると思いますし、原価が少々上がってもビビらずに大胆な行動が起こせるのではないでしょうか。
今日のまとめです。
- 様々な要因で原材料価格が上がる事がよくあるが、売値はすぐには上げられない
- 売値があげられないと原価が増えるので当初の予定より、利益が減る
- なので、事前に通常パターンとコストが増えるパターンの2通りの事業計画を用意しておく
今日も創業予定者の皆様が良い一日になりますように。
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