かもしれない経営・だろう経営
こんにちは。フェニックス経営研究所 加賀城です。
私は運転が好きです。別に走り屋というわけでなく、安全に運転をすることそのものが楽しいです。ですから、仕事で運転するときはテンションが上がっています。複数のお客様とのお打合せの際に車の方が時間短縮になるな、という際には、ドライブを兼ねて遠方に仕事を集中させます。
最近ではドライブレコーダーで事故の場面が詳細に記録できるようになりました。同時に、事故発生の1分前くらいからドラレコを搭載している主に被害車両の方がどのような運転をしながら事故現場に来て加害車両と遭遇してしまったのか、という映像も動画配信サイトで見ることができます。
そこで私が思ってしまった感想。
「貰い事故ではあるんだけど、被害車両にも原因があるかも」事例が多いことでした。
●一時停止の線を越えてたり、完全に静止しないので、もし優先側道路の車両が速度超過してたら側方衝突する・・・かもしれない。ただ出会いがしらなんてそんなないだろう・・・そして、交差点の右直事故に巻き込まれる。
●速度超過で少し車間距離甘いので、急に子供や動物が飛び出して来たら止まれない・・・かもしれない。まあ、そんなケース少ないだろう・・・そして、左折でのLUUP巻き込み。
つまり「だろう運転」実施者が多いということです。事故の原因は加害者側なんだけど、結果として事故になってしまっており、その処理時間など非常に無意味な時間を過ごすのです。
さて、創業相談を受けてますと最近は
○初期投資が少なくて済む、設備投資が少ない事業
○会社員と自分の事業の二足の草鞋
○コミュニケーション能力が大きくものをいう
といった、「参入障壁が少なく」「技能が少なくてもスタートしやすい」「複業で生活を確保したうえで」創業を目指す方が増えています。
こうした創業を私は勝手に「カジュアル創業」と名付けています。素晴らしい傾向ですし、彼らは総じてフットワークが軽いので開業までの進捗も早いですし、借入という一番の条件がないだけに、負担が少なく済むのです。
ただ、一つだけ、ポイントです。こうしたカジュアル創業こそ、ぜひとも「かもしれない複業」を心がけてほしいと思います。
でも現実には、会社員という立場の上に、自分が本当にしたいビジネスや自分ができるビジネスを優先するので、「本質的にお客様が求めているニーズ」に対する感覚が欠如している事例がおおいので、その見極めが不足し「だろう複業」になってしまう可能性があります。
今までの取引先との関係から、契約はこうだろう
お客さんには、こう説明すれば買ってくれるだろう
など例は切りがありません。今までの経験も踏まえることは非常に重要ですが・・・
今までの取引先との関係はこうだったが、自分との契約はこうかもしれない
お客さんには、更にこう説明しないと興味がわかないかもしれない
複業なのですから、一つ一つの経営行動に謙虚になる時間も余裕もあるので、かもしれない経営は可能であると思うのです。
複業での事業失敗は借入や大きい設備投資は少ないですので傷は浅いですが、それだけに一般に経営者が全力をかけて行う深い検証や反省に至らないことがあります。
作り出す仕事の周辺環境も、自分の領域も異なります。そうすると、自分への負担も変わり、モチベーションの維持や精神の安定方法も変えるため、意思決定への集中度に過度な過信が生まれ、成功しないということも考えられます。
そうした過信を抑える意味でも「かもしれない経営」が必要であると私は思いますが、皆さん、どのような感想を持ちましたでしょうか。
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