「創業動機」の良しあしはここで決まる

~ いい悪いではなく伝わりやすい、伝わりにくい ~

   皆さん、こんにちは。スモールスタート創業サポーター かがじょうたけしです。
    昭和時代には実感できると思いますが、30年前は「やる気ないのか~」「たるんでるの
    か~」やる気があれば何でもできる、という精神論で何でも片づけられた時代でしたね。
    今はそれだけでは誰もモチベーションわかないのがわかっているので、いい方も随分
ソフトになりましたが、精神論は何か懐かしさも覚えますね。
    さて、仕事をするときにやる気が出るときつまり、モチベーションが湧くときはどんな
   場合でしょうか。少し考えてみてください。

   私は3つあると思います。
    一つは、出来そうだなと最初にわかっていて、そこまでの筋道がつかめるとやる気が
    でます。全くつかめないと人に聞くにも限界があるのでやる気がなくなるのではない
    でしょうか。
    二つ目は、ずばりやりたい事がスムーズに出来ている時ですね。
    三つ目は、お客様の喜ぶ顔が想像できた時はやる気が出ます。でも、これは多分不満
    な感じだろうな、と思うとやる気がなくなります。

   1)創業動機≠創業したい理由
     事業計画書の中の「創業動機」は仕事のやる気と同じで、あなたの創業事業へのやる気
     の源は何だろうかという事になります。事業ですので、通常の融資の際には当然過去の
     業績がどうであったか、がはっきり言って最も重視されるので決算や資産、過去の受注
     をまずは見るのですが、創業融資の場合には過去の実績はありません。
      前職での活動内容やポジション経験資格も見ますがどちらかというと将来像を見る事
     になります。その中で、創業動機は非常に重要であると考えます。
      創業動機は創業者の事業に対する夢、そして取り掛かるスタンス、そして本人の性格
     なども色濃く出てきます。創業事業では必ず困難にぶつかります。そうした際にも
     くじけないで続けていけないと、融資する方は安心して融資はできません。その動機
     付けがなんであるかを冷静に見ていると思ってください。

     言い換えます。


   創業動機は「創業したい理由」を書くのではなく、「創業して絶対に続けたい理由」を書くのです。


     事業計画書を書くのは、自分の意志を見える化するという理由もありますが、使用
    用途としては
  ○融資、出資の際に金融機関やVC等に事業を納得してもらうため
  ○補助金で採択される、あるいは支援機関からあっせんを受けるため
   なので、創業がゴールではなく、長期に続けて借金を返してもらうあるいは出資した以上の見返りが
   返ってくる、税金という直接の金銭だったり経済効果という形で自治体に効果をもたらす、という
   長期的な見返りを求めての事です。
    そういった意味からも「創業して「絶対に続けたい」思い」がどこにあるのか、
を問うているのです。

 2)では、「絶対に続けたい」思いをカタチにしましょう。
   絶対に事業を続けたい理由は何でしょうか?
   で書ける方はそのままお書きください。

 もし悩まれたら、次の5つの質問を自分におこして書いてみましょう。
 1 まずは創業したい理由をどんどん書きだしましょう。
    出来れば5個以上出してください。なんでもいいです。
 2 出てきた「創業したい理由」を次の3つに分類します。
(a)今の自分の境遇に対する不満:給料が安い、ワークライフバランスを保ちたい
  会社の人間関係、出張が多い、残業が多い等
(b)自分がやりたい事:子供からの夢でも今でもこれに興味がある、これだったら
  嫌なことも忘れて取り組めるという事
(c)将来こういう社会だったらいいな、という希望
3 (c)に着目して、なぜそのように思ったのか。自分自身のエピソードを
 探してみてください(きっかけ)
4 自分がやりたい事⇒3のエピソード⇒将来の思い
が創業動機として、将来も続けたい、という思いが出てきます。やりたいんだな、
という認識をしてくれる創業動機が出来上がります。
5 身近な人に出来上がった文章を説明する。
 ご家族、友人、相談窓口のアドバイザーにお試しで言ってみてください。
 気の利いた(私のような?)アドバイザーは、口に出したその日から
 モチベーションが上がるように助言頂けると思います。

3)創業動機を今のうちに練りこんでおく、本当の効果
 創業動機を創業前あるいは創業した今の時期にしっかり練っておいて自分の言葉で
表せるようになると、融資の時以外にもたくさんのメリットがあります。
それは、「組織を大きくする時」です。
 なぜこの事業をおこしたのかを本当に実感するのは、事業が軌道に乗って、「組織
 を創ろう」と思ったときです。おおよそ従業員20名を超え、一人では掌握できない
 規模の組織を作ろうと思ったときに、伝えるべき最初の意思表示が
 「どんな思いでこの会社を、この事業を立ち上げて、従業員の皆さんと一緒に
伸ばしていくのか」というものです。
   20人になるには2-3年でたどりつく人もいれば10年以上かかる人もいますが
  その場で考える事も出来るのですが、創業当時に意識した内容は必ずそこで
活きるのです。

  ではまた。

フェニックス経営研究所へのご依頼・ご相談

フェニックス経営研究所へのご依頼・ご相談 DREAM GATE より承っています。

※起業支援ポータルサイト「DREAM GATE」は経済産業省の後援を受けて2003年4月に発足した日本最大級の起業支援プラットフォームです。