【17次締切 ものづくり補助金 準備特集 5】
⑤「申請件数の推移」から見る17次の動向と申請すべきかどうか
こんにちは。フェニックス経営研究所 加賀城です。
ものづくり補助金はもう間もなく17次締切が始まるので、いまかいまかとお待ちの事業者様もいらっしゃることと思います。
さて皆さんはものづくり補助金総合サイトの「データポータル」はご覧になった事がありますでしょうか。これまでの申請者の申請タイミングや業種等有用なデータをまとめてくれていますが、なかなか気付きにくいと思います。
準備特集として「データポータル」から、ものづくり補助金申請に当たり、どう申請すると採択可能性が上がりそうなのかを、支援者の立場から考えてみます。
目次
② 各回の採択上限がなんとなくあって採択率が変わるのではと考えます
1.申請件数は締切回ごとにばらつきがある!
ものづくり補助金総合サイト「データポータル」には「各回の応募枠別申請件数と採択率」が記載されています。
出典:ものづくり補助金総合サイト「データポータル」
全国での申込件数は、通常枠はおおよそ2000から多くとも3800件です。なので、大きな変化は実は特別枠にあります。コロナに伴う特別な資金繰り需要は2021年に差し掛かる第4次に顕著に現れます。
ものづくり補助金の申請の多寡の理由は、2つあるといえます。
一つは、同じ用途につながりやすい他の補助金。はっきり言えば「事業再構築補助金」です。事業再構築補助金の第1回とものづくり補助金の第6回重なります。事業再構築補助金が明確になったのが第5次応募の時でした。ので、設備投資の中で、再構築指針に当てはまる事業を目指す方向転換を行えば、同じ機械でも「もの補助」ではなく「事業再構築補助金」での申請を行う事業者が多いです。事業再構築補助金は「補助金の額」が相対的にものづくり補助金より高く、「事前着手申請承認」によりすでに取り掛かっている事業にも補助が出るなど、ものづくり補助金よりも有利な点もあったためです。
この影響は1日当りの申請者数に顕著に表れています。
事業再構築補助金が始まる前の第5回までは1日平均80社以上が申請していた計算ですが、事業再構築補助金と時期が重なる第6回以降は全国で1日当り50件前後とかなり下がっております。
出典:ものづくり補助金総合サイト「データポータル」をもとに当社作成
そして、もう一つは前回申請日からの日程です。上の表をご覧いただければ。
注目は「前回からの日数」と「申請者数」です。見て頂ければわかる通り、第4回は、他の回と比較しても前回からの日数が137日間と、申請したい企業のオープン待ちが非常に多かったのでした。
こうした日程や申請者のばらつきは採択率(つまり難易度)に大きな影響を与えるのです。
2.各回の採択上限がなんとなくあって採択率が変わるのではと考えます
さて、次は気になる採択率です。
第1回から第15回まで見ると、大きな差があります。おおよそ50-60%の採択率、2社に1社が採択されるのがおおよその姿です。しかし、第3回・4回は採択率が4割を切っています。
ものづくり補助金の申請者数と採択率の相関を見てみると次のプロットが書けます。非常に単純に1次相関がないかどうかをチェックしてみました。
出典:ものづくり補助金総合サイト「データポータル」をもとに当社作成
R2=0.7434 となっており、申請者数が上がれば採択率も下がる事に対してある程度相関があるような結果でした。
でもその2つはたまたまなのかどうか・・・を考えます。申請者数と採択者数をみてみます。第1回から第15回までの申請者数の平均は4963者です。採択者数の平均は2485者です。さて数値のばらつきがあるのは申請者数の方で採択者の方にばらつきがないばかりか、採択者数は第4回の3100者程度です。 ここから、第17回、採択率や採択者数がどのようになりそうか予想がつきそうではあります。
3.17次締切での申請件数予想とすべき事 重要
17次の公募要領の参考になりそうな資料が出てまいりました。
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r5/r5_mono_shogyo_service.pdf
こちらのリンクを見て頂くと概要が載っています。当社でも別途、このリンクから考えられること、準備することを考えてみたいと思います。
結論から言うと採択率は少しだけ上がりそうな気はしています。そこにはいくつかの要因があると考えました。
- 事業再構築補助金は、「秋の行政事業レビュー」を受けて検証中です。今より使いやすくなることは考えにくいので、相対的に「もの補助」の人気は上がると推測します。
- ものづくり補助金は上のリンクによれば、17次以降はDX枠を使える事業だと補助金額は増額になるので、タイミングの合う企業の申込は増加すると考えます。特に建設業でICT重機やスキャナ類を導入される方は、おおよそDX枠ですので増額になる予定とみていいと考えます。
- もの補助の開催は令和5年補正予算分では、2回程度と記述されています。これまでの年4回ペースより回数が減り、1回当たりの申請者数は増加すると考えます。
そして、
- 申請者数にかかわらず、採択者数の上限があると考えられるので、①-④ を踏まえると、申請者数が増加することで採択率は今より多少難化するとみています。どの程度の難易度なのかは、今後「いつ17次・18次が締切となるか」「事業再構築補助金の姿」が大きく左右すると考えます。
ちなみにコロナ前のものづくり補助金の採択率は大よそ35%から40%位であったと記憶しております。
ただし、申請時点・採択してからやる事は、採択率が上がろうが下がろうが変わらないです。基本は求められた内容を読みやすく、わかりやすく申請書に記述し、自社業務が専門でない審査員に読んでもらう事で興味があれば今からでも準備を始めましょう。
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ものづくり補助金申請支援にご関心のある方は下記よりお問い合わせください。
https://profile.dreamgate.gr.jp/consul/pro/phoenix?advisor_field_id=
では、また別の機会にお会いましょう。
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